ひなげし (モネ)

『ひなげし』
フランス語: Les Coquelicots
英語: The Poppies
作者クロード・モネ
製作年1873年
種類油彩キャンバス
寸法50 cm × 65 cm (20 in × 26 in)
所蔵オルセー美術館パリ

ひなげし』(: Les Coquelicots, : The Poppies)は、フランスの画家クロード・モネ1873年に描いた絵画[1][2]。『アルジャントゥイユのひなげし』(: Les Coquelicots à Argenteuil[3][4][5]とも。

パリオルセー美術館に所蔵されている[2]。本作は、『印象・日の出』とともに、1874年の第1回印象派展に出展された[3]

作品

パリから北西に10キロメートルほど行ったところにあるアルジャントゥイユの草原が描かれている[3]。モネは、1871年から1878年にかけてアルジャントゥイユに住んでいた[1]。季節は夏であり、空は穏やかに晴れている[5]

主として画面の左側に、たくさんの赤色のひなげしの花が咲いている様子が描かれている[6]。画面の右側前景には、子どもを連れた母親が描かれている[6]。母親は日傘を手にしている[1]。子どもは、ひなげしの花を何本か手にしている[6]

『昼食』

母親のモデルは、モネの妻のカミーユであり、子どものモデルは長男のジャンであるといわれている[6][7]。ジャンが頭に被っている麦わら帽子には、赤色の縁取りとリボンが確認でき、これは『散歩、日傘をさす女性』や『昼食』と同様である[8]

画面の左側奥にも、同じような母親と子どもが描かれているが、この母子は、女性がまとっているドレスの色合いが異なっている点や、子どもの帽子にリボンがない点などから、手前の母子とは別の母子であるとする考えがある一方で、カミーユとジャンが画面の奥から手前に向かって歩いてきたことを表現するために、異時同図法を用いて、異なる瞬間の同じ母子を描いているとする考えもある[3][9][4]。奥に描かれた女性がもつ日傘は閉じられている[6]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c “Coquelicots - Poppy Field”. オルセー美術館. 2019年6月2日閲覧。
  2. ^ a b 『西洋美術史入門』 2012, p. 129.
  3. ^ a b c d 『もっと知りたいモネ』 2010, p. 27.
  4. ^ a b 『芸術新潮』 2018, p. 26.
  5. ^ a b “クロード・モネ《アルジャントゥイユのひなげし》”. 獨協大学. 2019年6月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e 土橋加奈子 (2015年5月). “今月の1枚 モネ《アルジャントゥイユのヒナゲシ》”. 大塚国際美術館. 2019年6月2日閲覧。
  7. ^ 大塚国際美術館 [@otsukamuseum] (2018年5月5日). "2018年5月5日のツイート". X(旧Twitter)より2019年6月2日閲覧
  8. ^ 『もっと知りたいモネ』 2010, p. 31.
  9. ^ 馬渕明子. “印象派としてのモネ”. 社団法人如水会. 2019年6月2日閲覧。

参考文献

  • 安井裕雄(著)・高橋明也(監修)『もっと知りたいモネ 生涯と作品』東京美術〈アート・ビギナーズ・コレクション〉、2010年1月。ISBN 978-4-8087-0858-0。 
作品
絵画
連作
  • 『サン=ラザール駅』(1877年)
  • 積みわら』(1890-1891年)
  • 『ルーアン大聖堂』(1892-1894年)
  • 『チャリング・クロス橋』(1899-1904年)
  • 『ウォータールー橋』(1900-1904年)
  • 『睡蓮』(1897-1926年)
関連人物
家族
  • カミーユ・ドンシュー(英語版)(最初の妻)
  • アリス・オシュデ(英語版)(2番目の妻)
  • ジャン・モネ(英語版)(長男)
  • ミシェル・モネ(英語版)(次男)
  • スザンヌ・オシュデ(英語版)(義理の娘)
  • ブランシュ・オシュデ・モネ(義理の娘)
  • セオドア・アール・バトラー(義理の息子、セザンヌおよびマルトの夫)
関係者
作品一覧
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