オニシバリ

オニシバリ
東京大学小石川植物園 2013年4月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: フトモモ目 Myrtales
: ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae
: ジンチョウゲ属 Daphne
: オニシバリ D. pseudomezereum
学名
Daphne pseudomezereum A. Grey
和名
オニシバリ(鬼縛り)

オニシバリ(鬼縛り、学名Daphne pseudomezereum)はジンチョウゲ科ジンチョウゲ属常緑小低木有毒植物。別名、ナツボウズ(夏坊主)。

特徴

高さは1-1.5mになる。はよく分枝し、汚灰茶色で全体が無毛。は互生し、半革質でやわらかく、形は長楕円形で長さ5-13cm、幅1-3cm、両端は長鋭形になる。葉の縁は全縁で、7-9対ある側脈が不規則に分枝し波曲する。葉柄はほとんどない。7-8月頃に落葉し、8-9月に枝端から新しい葉と翌春の花の蕾が生える[1]

雌雄異株。花期は2-4月、は淡黄緑色で、葉腋に束生状に2-10個つける。花弁にみえるのは裂片で、萼筒は長さ5-9mmになり、先が4裂し、長さ2.5-5.5mmの裂片は開出する。雌株の花の方がやや小さい。小花柄は花後、枝にいぼ状に残る。雄蕊は8個で、雄蕊上列は萼筒から少し出る。子房は無柄で楕円形になり、花柱はごく短く、柱頭は円盤形になる。果期は5-7月、径8mmほどの楕円形の果実をつける。果実は液果で赤く熟し、辛く有毒[1]

分布と生育環境

中国吉林省遼寧省)、朝鮮半島日本に分布する[2]

日本では、福島県以西の本州四国九州に分布し、落葉樹林内に生育する[3]

和名の由来

樹皮が強靭で、枝を折ってもちぎれないことから、この木の樹皮で鬼を縛っても切れないだろうという意味で、オニシバリ(鬼縛り)といい[4]、また、夏に一時落葉することから、ナツボウズ(夏坊主)という[1]

ギャラリー

  • 花をつけたオニシバリ藤原岳の石灰岩の岩場にて(2014年4月)
    花をつけたオニシバリ藤原岳石灰岩の岩場にて(2014年4月)
  • 花の細部
    花の細部
  • 葉と花
    葉と花
  • 若い楕円形の果実
    若い楕円形の果実
  • 赤く熟した果実
    赤く熟した果実

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c 『日本の野生植物 木本Ⅱ』p.77
  2. ^ Daphne pseudomezereum Flora of China
  3. ^ 『樹に咲く花(離弁花 2)山溪ハンディ図鑑4』p.595
  4. ^ 『野草の名前 春 山溪名前図鑑』p.72

参考文献

  • 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅱ』、1989年、平凡社
  • 茂木透、勝山輝男他『樹に咲く花(離弁花 2)山溪ハンディ図鑑4』、2000年、山と溪谷社
  • 高橋勝雄『野草の名前 春 山溪名前図鑑』、2002年、山と溪谷社

外部リンク

ウィキスピーシーズにオニシバリに関する情報があります。
ウィキメディア・コモンズには、オニシバリに関連するメディアおよびカテゴリがあります。
  • オニシバリの標本(千葉県清澄山で1961年6月18日に採集) (千葉大学附属図書館)
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  • “日本のレッドデータ検索システム・オニシバリ”. エンビジョン環境保全事務局. 2014年5月18日閲覧。
  • Daphne pseudomezereum Flora of China
  • Daphne pseudomezereum A.Gray (The Plant List)(英語)
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