ジフェニルシアノアルシン

ジフェニルシアノアルシン

ジ(フェニル)アルサニルホルモニトリル

別称
ジフェニルシアノアルシン
Clark 2
シアン化ジフェニルアルシン
ジフェニルアルシンカーボンニトリル
EINECS 245-716-6
LS-193021
識別情報
CAS登録番号 23525-22-6
  • C1=CC=C(C=C1)[As](C#N)C2=CC=CC=C2
  • InChI=1/C13H10AsN/c15-11-14(12-7-3-1-4-8-12)13-9-5-2-6-10-13/h1-10H
特性
化学式 C13H10AsN
モル質量 255.15 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジフェニルシアノアルシン(diphenylcyanoarsine)とは、ヒ素原子に、フェニル基が2つと、シアノ基が1つ結合した化合物である。

用途

ジフェニルシアノアルシンは、嘔吐剤くしゃみ剤に分類される化学兵器の1つである[1]。これを大日本帝国軍は「あか剤」と呼称し、保有していた[1][2]

曝露

ジフェニルシアノアルシンは、ニンニクと苦みのあるアーモンドの混ざったような臭いがすると言われる[3]

  • 最小刺激濃度:0.1 mg/m3
  • ICt50:30 mg・min/m3 (30秒曝露)
  • ICt50:20 mg・min/m3(5分曝露)
  • LCt50:10 000 mg・min/m3(推定値)
症状
眼や粘膜の刺激、鼻汁くしゃみ頭痛、胸部圧迫感、吐き気、不快感[3]

廃棄

大日本帝国軍が保有していた他の化学兵器と同様に、敗戦時に処分した「あか剤」も後の時代に発見された事例が有る。ヒ素化合物であるジフェニルシアノアルシンを廃棄するに際しては、ヒ素の適切な処理を必要とする[1]

出典

  1. ^ a b c 遺棄化学兵器の安全な廃棄技術に向けて 日本学術会議 平成13年7月23日
  2. ^ 内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室 遺棄化学兵器等
  3. ^ a b 国立医薬品食品衛生研究所 嘔吐剤

外部リンク

  • 茨城県神栖町における汚染メカニズム解明のための調査 中間報告書 平成17年6月 環境省
  • ジフェニルアルシン酸等の製造・保有情報及び戦後における発見・処理に関する情報収集結果
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関連項目