ナンブソウ

ナンブソウ
岩手県北上山地 2022年5月下旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperm
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: キンポウゲ目 Ranunculales
: メギ科 Berberidaceae
: ナンブソウ属 Achlys
: ナンブソウ A. japonica
学名
Achlys japonica Maxim.[1]
シノニム
  • Achlys triphylla (Sm.) DC. subsp. japonica (Maxim.) Kitam.[2]
  • Achlys triphylla (Sm.) DC. var. japonica (Maxim.) T.Itô[3]
和名
ナンブソウ(南部草)[4][5]
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ナンブソウ(南部草、学名Achlys japonica)は、メギ科ナンブソウ属多年草[4][5][6]

特徴

地下には細い根茎が横に這う。の高さは20-30cmになり、全草無毛である。根出葉は長さ6-10cmになる細長い葉柄があり、根茎の先端から伸びる。無柄の3小葉からなる根出葉は、長さ6-10cm、幅4-8cmになる。頂小葉は倒卵形から菱状広卵形で先が3浅裂し、2つの側小葉はゆがんだ扇形で先が波状に2-3裂し、裂片の先端は鈍い。葉質は膜質でなめらかで、裏面は白緑色になる[4][5][6]

花期は5-6月。根茎の端から花茎を出して直立し、その先に白色のやや多数の穂状花序につける。花は径約7mmで、片と花弁が退化している。雄蕊は9-15個あり、花糸はへら形で、長さは長短不ぞろいである。雌蕊は1個で、基部に1個の胚珠がある。果実は長さ3-4mmの腎形の袋果となり、中に種子1個が入り、裂開する[4][5][6]

分布と生育環境

日本では北海道、本州の東北地方に分布し、山地の落葉広葉樹林の林床に生育する[4][5][6]。比較的稀に生える植物である[6]。世界では、朝鮮半島北部に分布する[7]

名前の由来

和名ナンブソウは「南部草」の意で、岩手県中部および北部の「南部地方」に由来する[5]タイプ標本は岩手県南部産である[1]

ギャラリー

  • 根出葉は無柄で3出複葉。頂小葉は先が3浅裂し、2つの側小葉は先が波状に2-3裂する。
    根出葉は無柄で3出複葉。頂小葉は先が3浅裂し、2つの側小葉は先が波状に2-3裂する。
  • 花弁はない。雄蕊は多数あり、花糸はへら形で、長さは長短不ぞろい。雌蕊は1個あり、短い。
    花弁はない。雄蕊は多数あり、花糸はへら形で、長さは長短不ぞろい。雌蕊は1個あり、短い。

脚注

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  1. ^ a b ナンブソウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ナンブソウ(シノニム)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ var. japonica, The Plant List.
  4. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.210
  5. ^ a b c d e f 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.468
  6. ^ a b c d e 『改訂新版 日本の野生植物2』p.114
  7. ^ Achlys japonica, World Plants, Catalogue of Life.

参考文献

  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社
  • 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  • Achlys japonica, World Plants, Catalogue of Life.


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