フルオルイミド

フルオルイミド
Fluoroimide[1]

2,3-ジクロロ-N-4-フルオロフェニルマレイミド[2]

別称
3,4-ジクロロ-1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(CAS名)
識別情報
CAS登録番号 41205-21-4
特性
化学式 C10H4Cl2FNO2
モル質量 260.05 g mol−1
外観 白色ないしうすい黄褐色の、結晶性粉末または粉末
融点

238-242℃

沸点

(融点で分解[3]

への溶解度 5.9mg/l(20℃)
メタノールへの溶解度 0.84g/kg(20℃)
危険性
半数致死量 LD50 >2500mg/kg(マウス、経口[4]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フルオルイミド: Fluoroimide)は、マレイミド系農業用殺菌剤の一種である。

用途

日本の三菱化成工業(現 三菱化学)とクミアイ化学工業が共同開発した農業用殺菌剤で、日本では1976年1月13日に農薬登録を受け、商品名に「スパットサイド」などがある[5]が、2013年現在、日本国外での登録はない[2]柑橘類の黒点病、リンゴの斑点落葉病、キュウリの炭疽病などに有効で[4]胞子発芽時に働く酵素などのSH基と反応して発芽を阻害することにより、殺菌効果を示すと考えられている[2]。日本国内での原体生産量は、平成22農薬年度(平成21年10月~平成22年9月)19.4トン、平成23農薬年度2.0トンであった[3]

脚注

  1. ^ フルオルイミド標準品(和光純薬工業
  2. ^ a b c 農薬評価書(食品安全委員会
  3. ^ a b 水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準値(案)の設定に関する資料 (PDF)環境省
  4. ^ a b クミアイ化学工業「フルオルイミドの毒性試験の概要」(PDF)『農薬時報別冊』第393巻、1991年3月15日、7-11頁。 
  5. ^ 『農薬毒性の事典 改訂版』

参考文献

  • 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年、171-172頁。ISBN 978-4385356044。 
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