ムーラン・ルージュ (映画)

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ムーラン・ルージュ
Moulin Rouge!
監督 バズ・ラーマン
脚本 クレイグ・ピアース
バズ・ラーマン
製作 フレッド・バロン
マーティン・ブラウン
バズ・ラーマン
出演者 ユアン・マクレガー
ニコール・キッドマン
音楽 クレイグ・アームストロング
マリウス・デ・ヴリーズ
スティーヴ・ヒッチコック
撮影 ドナルド・M・マカルパイン
編集 ジル・ビルコック
配給 20世紀フォックス
公開 フランスの旗 2001年5月9日(カンヌ国際映画祭
アメリカ合衆国の旗 2001年5月16日
オーストラリアの旗 2001年5月24日
日本の旗 2001年11月23日
上映時間 127分
製作国 オーストラリアの旗 オーストラリア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $50,000,000[1]
興行収入 世界の旗 $179,213,434[1]
日本の旗 10億円[2]
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ムーラン・ルージュ』(Moulin Rouge!)は、2001年製作のオーストラリアアメリカ合作映画。バズ・ラーマン監督。ラブ・ストーリーであり、ミュージカル映画

概要

パリにあるキャバレームーラン・ルージュ」を舞台に、踊り子と若き作家のラブストーリーが、ビートルズエルトン・ジョン、マドンナなどの曲に乗せてつづられる。

目まぐるしい映像と、有名な楽曲の使い方に関して賛否が分かれるが、主演二人(ニコール・キッドマンユアン・マクレガー)の吹き替えなしの歌と、豪華なセット・衣装が話題になった。

キャッチコピーは「ふたりの愛、ひとつの運命。」・「パリ、1899年この街で、最も愛された一人の女… 彼女の名はサティーン」。

ストーリー

英国出身の作家志望の若者クリスチャンは、父親に反対されながらもボヘミアンな世界に憧れて華の都パリモンマルトルに出てきた。モンマルトル一角の安宿に部屋を取り、自由と愛に就いての物語を書こうと試みるが、いざ書こうとすると物語に出来るような恋愛経験が無いことに気付き、クリスチャンは途方に暮れた。

その時、天井を突き破って意識を失ったアルゼンチン人が落ちてくる。驚愕して穴の開いた天井を見上げると、キャバレームーラン・ルージュに雇われている作家のオードリーや新進気鋭の画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック達がクリスチャンの部屋を覗き込んでいた。オードリー達はアルゼンチン人の様子はどうだ、明日までの原稿は完成するのかと大騒ぎ。トゥールーズ=ロートレック達は、経営者のジドラーが電飾に凝りすぎたせいで経営が傾いた「ムーラン・ルージュ」の新たなパトロンを見付けるために新しい舞台を考えていたが、披露する歌の歌詞が決まらず、喧々囂々の状態だった。セットの上で彼らのやり取りを見守っていたクリスチャンは、思わず知らずのうちに、彼らが披露するつもりであるショーに完全にマッチした歌を披露した。トゥールーズ=ロートレックらはこれほど完璧な歌を書ける人間はいないと絶賛し、オードリーに彼と一緒に歌を書いてくれないかと頼んだが、オードリーは見ず知らずの新人と一緒に書くことを拒否し出て行ってしまう。

これでクリスチャンを仲間に入れる障害がなくなったと見たトゥールーズ=ロートレック達は、クリスチャンにアルゼンチン人が持っている最高のスーツを着せて、ムーラン・ルージュの花形スターであるサティーンに取り込んで、経営者のジドラーにクリスチャンを認めさせる計画を立てる。かくしてクリスチャンはトゥールーズ=ロートレック達と共に歌を書くことになった。クリスチャンは生まれて初めてアブサンを飲み、完全な酩酊状態でムーラン・ルージュの舞踏会に潜り込むことになった。

ムーラン・ルージュでは多くの着飾ったカンカンのダンサーたちが舞踏を盛り上げ、高級娼婦で店のスターであるサティーンも出演する。サティーンは自分を本当の女優にしてくれると約束している公爵と2人きりで会うことを心待ちにしていたが、ちょっとした手違いから、クリスチャンを公爵だと勘違いしてしまう。クリスチャンはサティーンの目の前で自作の詩を朗読し、2人は恋に落ちてしまう。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
サティーン ニコール・キッドマン 鈴木ほのか
クリスチャン ユアン・マクレガー 宮本充
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ジョン・レグイザモ 家中宏
ハロルド・ジドラー ジム・ブロードベント 辻萬長
ウースター公爵 リチャード・ロクスバーグ 山路和弘
ナルコレプシーのアルゼンチン人 ジャセック・コーマン
ニニ キャロライン・オコナー
マリー ケリー・ウォーカー 谷育子
ドクター ギャリー・マクドナルド
オードリー デビッド・ウェナム
アブサンの妖精 カイリー・ミノーグ
アブサンの妖精(笑い声) オジー・オズボーン
ショコラ デオビア・オパレイ

制作

劇中の主人公2人とその恋物語は『椿姫』や『ラ・ボエーム』などを元に創作されたが、ハロルド・ジドラーやアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックエリック・サティ、キャバレー唯一の黒人男性ル・ショコラ、空中足のニニなどは実在した人物である。キャラクタの他にも、舞台や衣装は当時の写真や絵画を元に制作された。

音楽

ロマンティックで緩急に富んだ音楽はフィギュアスケートなどで使用されることが多く、髙橋大輔、キム・ヨナテッサ・ヴァーチュ/スコット・モイア[3]が公式大会のショートプログラムやエキシビジョン、アイスショーなどで使用したことがある。また、ファットボーイ・スリムの『Because We Can』は、『M-1グランプリ』の出囃子として使われたことから、日本では漫才を象徴する音楽としてテレビなどでよく使用されている。サウンドトラックは2種類が発売され、2001年5月に発表された『ムーラン・ルージュ オリジナル・サウンドトラック』、2002年2月に発表された『ミュージック・フロム・ムーラン・ルージュ2』では、作中のカバー曲を含めた多数の曲が公開された。

使用楽曲

以下「曲名 – キャスト(オリジナル/カバー)」の順。

  • “Nature Boy” – トゥールーズ=ロートレック(ナット・キング・コールデヴィッド・ボウイ
  • “Complainte de la Butte モンマルトルの丘”(コラ・ヴォケールルーファス・ウェインライト
  • “Children of the Revolution” – トゥールーズ=ロートレック、サティ(T・レックス) 
  • “The Sound of Music” – クリスチャン(メリー・マーティン/ジュリー・アンドリュースサウンド・オブ・ミュージック』)
  • “緑の妖精メドレー” – クリスチャン、ボヘミアンたち、緑の妖精
    • “The Sound of Music”(『サウンド・オブ・ミュージック』)
    • “Children of the Revolution”(T・レックス)
    • “Nature Boy”(ナット・キング・コール/デヴィッド・ボウイ)
  • “ジドラーのラップメドレー” – ジドラー、ムーラン・ルージュ・ダンサーズ、クリスチャン、パトロンたち
  • “Sparkling Diamonds”(リミックス) – サティーン、ムーラン・ルージュ・ダンサーズ
  • “Rhythm of the Night” – ムーラン・ルージュ・ダンサーズ(デバージ/ヴァレリア・アンドリューズ)  
  • “Sparkling Diamonds” (Reprise) – サティーン
  • “Meet Me in the Red Room”(アミエル)
  • “Your Song” – クリスチャン(エルトン・ジョン
  • “Your Song (Reprise)” – サティーン(エルトン・ジョン)
  • “The Pitch - Spectacular Spectacular” – ジドラー、クリスチャン、サティーン、公爵、ボヘミアンたち(『天国と地獄』:オペレッタ『地獄のオルフェ』序曲第3部)  
  • “One Day I'll Fly Away” – サティーン、クリスチャン(ザ・クルセイダーズランディ・クロフォード
  • “Elephant Love Medley” – クリスチャン、サティーン
  • “Górecki” – サティーン(ラム)
  • “Like a Virgin” – ジドラー、公爵、コーラスボーイズ(マドンナ)
  • “Come What May” – クリスチャン、サティーン、アルゼンチン人 、スペクタキュラースペクタキュラーのキャスト
  • “El Tango de Roxanne” リミックス – アルゼンチン人、クリスチャン、サティーン、公爵、ムーラン・ルージュ・ダンサーズ
  • “Fool to Believe” – サティーン
  • “One Day I'll Fly Away (Reprise)” – サティーン、ジドラー
  • The Show Must Go On” – ジドラー, サティーン、ムーラン・ルージュの舞台係(クイーン)
  • “Hindi Sad Diamonds メドレー” – トゥールーズ=ロートレック、空中足のニニ、サティーン、スペクタキュラースペクタキュラーのキャスト
    • “Chamma Chamma”(アルカ・ヤグニック)
    • “Diamonds Are a Girl's Best Friend”
  • “Come What May (Reprise)” – サティーンとクリスチャン
  • “Coup d'État (Finale) クーデター” – クリスチャン、サティーン、スペクタキュラースペクタキュラーのキャスト
    • “Children of the Revolution”
    • “Your Song”
    • “One Day I'll Fly Away”
    • “Come What May”
  • “Nature Boy (Reprise)” – トゥールーズ=ロートレック、クリスチャン

受賞・ノミネート

前述の通り、目まぐるしい映像と有名な楽曲の使い方に関して賛否が分かれるが、 サティーンを演じたニコール・キッドマンアカデミー主演女優賞にノミネートされるなど、批評家からは肯定的な評価を得た。

賞名 部門 対象 結果
オーストラリア映画協会賞
(第43回)
作品賞 マーティン・ブラウン ノミネート
フレッド・バロン ノミネート
バズ・ラーマン ノミネート
監督賞 ノミネート
主演男優賞 ユアン・マクレガー ノミネート
主演女優賞 ニコール・キッドマン ノミネート
助演男優賞 リチャード・ロクスバーグ ノミネート
撮影賞 ドナルド・マカルパイン, ACS / ASC 受賞
編集賞 ジル・ブラック 受賞
アカデミー歌曲賞 アンディ・ネルソン 受賞
ロジャー・サベージ 受賞
Guntis Sics 受賞
美術賞 キャサリン・マーティン 受賞
衣装デザイン賞 受賞
アンガス・ストラティー 受賞
アカデミー賞 作品賞 フレッド・バロン ノミネート
マーティン・ブラウン ノミネート
バズ・ラーマン ノミネート
主演女優賞 ニコール・キッドマン ノミネート
編集賞 ジル・ブラック ノミネート
撮影賞 ドナルド・マカルパイン ノミネート
衣装デザイン賞 アンガス・ストラティー 受賞
キャサリン・マーティン 受賞
美術賞 受賞
ブリジット・ブロシュ 受賞
ヘアメイク賞 Maurizio Silvi ノミネート
Aldo Signoretti ノミネート
歌曲賞 アンディ・ネルソン ノミネート
アンナ・ベルマー ノミネート
ロジャー・サベージ ノミネート
Guntis Sics ノミネート
アメリカ映画編集者協会 最優秀長編映画編集賞(コメディ・ミュージカル部門) ジル・ブラック 受賞
英国アカデミー賞 作品賞 フレッド・バロン ノミネート
マーティン・ブラウン ノミネート
バズ・ラーマン ノミネート
監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
Craig Pearce ノミネート
助演男優賞 ジム・ブロードベント 受賞
撮影賞 ドナルド・マカルパイン ノミネート
歌曲賞 アンディ・ネルソン 受賞
アンナ・ベルマー 受賞
ロジャー・サベージ 受賞
Guntis Sics 受賞
作曲賞 クレイグ・アームストロング 受賞
Marius De Vries 受賞
美術賞 キャサリン・マーティン ノミネート
衣装デザイン賞 ノミネート
アンガス・ストラティー ノミネート
編集賞 ジル・ブラック ノミネート
視覚効果賞 クリス・ゴッドフリー ノミネート
アンディ・ブラウン ノミネート
ネイサン・マクギネス ノミネート
ブライアン・コックス ノミネート
メイクアップ&ヘア賞賞 Maurizio Silvi ノミネート
Aldo Signoretti ノミネート
ゴールデングローブ賞 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) フレッド・バロン 受賞
マーティン・ブラウン 受賞
バズ・ラーマン 受賞
監督賞 ノミネート
主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門) ユアン・マクレガー ノミネート
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門) ニコール・キッドマン 受賞
主題歌賞 ("Come What May") デヴィッド・ベアウォルド ノミネート
ケヴィン・ギルバート ノミネート
作曲賞 クレイグ・アームストロング 受賞
グラミー賞 Best Score Soundtrack for Visual Media ノミネート
MTVムービー・アワード 最優秀女優賞 ニコール・キッドマン 受賞
最優秀ミュージカル・シーン賞 ユアン・マクレガー,ニコール・キッドマン 受賞
ベスト・キス賞 ノミネート
ベスト・カメオ賞 カイリー・ミノーグ ノミネート
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 作品賞 フレッド・バロン, マーティン・ブラウン, バズ・ラーマン 受賞
全米製作者組合 作品賞 受賞
サテライト賞 作品賞 フレッド・バロン ノミネート
マーティン・ブラウン ノミネート
バズ・ラーマン ノミネート
監督賞 受賞
オリジナル脚本賞 ノミネート
Craig Pearce ノミネート
主演男優賞 ユアン・マクレガー 受賞
主演女優賞 ニコール・キッドマン 受賞
作曲賞 クレイグ・アームストロング 受賞
主題歌賞("Come What May") デヴィッド・ベアウォルド ノミネート
ケヴィン・ギルバート ノミネート
撮影賞 ドナルド・マカルパイン ノミネート
編集賞 ジル・ブラック ノミネート
視覚効果賞 クリス・ゴッドフリー ノミネート
アンディ・ブラウン ノミネート
ネイサン・マクギネス ノミネート
ブライアン・コックス ノミネート
美術賞 キャサリン・マーティン 受賞
衣装デザイン賞 受賞
アンガス・ストラティー 受賞
音楽賞 アンディ・ネルソン ノミネート
アンナ・ベルマー ノミネート
ロジャー・サベージ ノミネート
Guntis Sics ノミネート

ミュージカル

詳細は「ムーラン・ルージュ (ミュージカル)」を参照

脚注

  1. ^ a b “Moulin Rouge!”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年1月21日閲覧。
  2. ^ 2001年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  3. ^ Tessa Virtue and Scott Moir's Moulin Rouge at PyeongChang 2018 | Music Mondays - YouTube

外部リンク

  • 公式ウェブサイト(英語)
  • 公式ウェブサイト(日本語)
  • 『ムーラン・ルージュ』を視聴 | Disney+(ディズニープラス)(日本語)
  • ムーラン・ルージュ - allcinema
  • ムーラン・ルージュ - KINENOTE
  • Moulin Rouge! - オールムービー(英語)
  • Moulin Rouge! - IMDb(英語)
ゴールデングローブ賞 ミュージカル・コメディ作品賞
1951–1960
1961–1980
1981–2000
2001–2020
2021–2040
ドラマ部門作品賞
1996-2010年
2018-現在
コメディ・ミュージカル部門作品賞
1996-2010年
2018-現在
作品賞
インディペンデント映画賞
1989 - 2000年
2001 - 2020年
2021 - 2040年
1932-1940年
1941-1960年
  • 市民ケーン(1941)
  • 軍旗の下に(英語版)(1942)
  • 牛泥棒(1943)
  • 孤独な心(英語版)(1944)
  • The True Glory(英語版)(1945)
  • ヘンリィ五世(1946)
  • 殺人狂時代(1947)
  • 戦火のかなた(1948)
  • 自転車泥棒(1949)
  • サンセット大通り(1950)
  • 陽のあたる場所(1951)
  • 静かなる男(1952)
  • ジュリアス・シーザー(1953)
  • 波止場(1954)
  • マーティ(1955)
  • 八十日間世界一周(1956)
  • 戦場にかける橋(1957)
  • 老人と海(1958)
  • 尼僧物語(1959)
  • 息子と恋人(英語版)(1960)
1961-1980年
1981-2000年
2001-2020年
2021-現在
1990年代
2000年代
  • ムーラン・ルージュ(2001)
  • オーストラリア(2008)
2010年代
  • 華麗なるギャツビー(2013)
  • ゲットダウン (テレビドラマ)(2016–2017)
2020年代
  • エルヴィス(2022)
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