リトアニアの世界遺産
リトアニアの世界遺産(リトアニアのせかいいさん)はリトアニア国内にあるユネスコの世界遺産の一覧である。
概要
国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) の世界遺産は、1972年に制定された世界遺産条約に基づいて登録される[1]。リトアニアは1992年3月31日にこの条約を批准した[2]。
2020年現在[update]、リトアニアには4か所の世界遺産があり[3]、その全てが文化遺産となっている[2]。この内、クルシュー砂州 (ロシアと共有) 、シュトルーヴェの測地弧 (9か国と共有) は国境を越える資産となっている[4][5]。また、2か所の遺産が暫定リストに登録されている[2]。
世界遺産
ある遺産が世界遺産に登録されるには、その遺産が顕著な普遍的価値を持ち、かつ10の評価基準の内の少なくとも1つを満たす必要がある。評価基準の内、(i) から (vi) は文化遺産基準、(vii) から (x) は自然遺産基準である[6]。
* 国境を越える遺産
名称 | 画像 | 位置 | 登録年 | IDと登録基準 | 説明 |
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ヴィリニュス歴史地区(英語版) | ヴィリニュス郡 | 1994年 | 541、(ii) 、(iv) 、文化遺産 | リトアニア大公国の首都であったヴィリニュスは、リトアニア人のみならず、他のリトアニア大公国内の民族の文化や宗教の影響の下、多文化都市として発展した。街にはゴシック様式やルネサンス様式、バロック様式及び古典様式の建築物が残り、多様性に富む街並みとなっている[7]。 | |
クルシュー砂州* | クライペダ郡 | 2000年 | 994、(v) 、文化遺産 | クルシュー砂州は、クルシュー潟(英語版)とバルト海を隔てる長さ98キロメートル、幅0.4から3.8キロメートルの細長い半島である。5千年前に形成されたこの砂州はその後森林に覆われたものの、17世紀から18世紀にかけての過度の伐採により、クルシュー潟の方に移動をし始め、集落を埋めてしまった。19世紀になると、早急に対策をしなければ人間の居住が不可能になると判明し、砂州の安定化・保護の取り組みが始まり、現在も尚継続している[4]。 | |
ケルナヴェの考古遺跡 (ケルナヴェ文化保護区) | ヴィリニュス郡 | 2004年 | 1137、(iii) 、(iv) 、文化遺産 | リトアニア東部のネリス川に位置するケルナヴェ遺跡は、後期旧石器時代から中世にかけての集落である。14世紀末にケルナヴェの街はドイツ騎士団によって破壊、この地域の大部分は放棄され、新たな集落は北側に建てられた。このために先史時代や中世の物品がそのまま残されることとなった。遺跡では、バルト地方におけるおよそ1万年間の人類の居住地の発達の様子が見られる[8]。 | |
シュトルーヴェの測地弧* | パネムネーリス(英語版)、ネメンチネ、ネメージス(英語版) | 2005年 | 1187、(ii) 、(iii) 、(vi) 、文化遺産 | シュトルーヴェの測地弧は、ノルウェーのハンメルフェストから黒海まで、2820キロメートルにわたって連なる三角点群である。これらは、1816年から1855年にかけて行われた、フリードリッヒ・フォン・シュトルーベとその同僚らによる測量の際に設置されたものである。この測量は地球の正確な大きさや形の確定に貢献し、地球科学の発展において重要な役割を果たした。世界遺産に登録されている10か国34か所の観測点の内、3か所がリトアニア国内に存在する[5]。 |
暫定リスト
暫定リストは、加盟国によって世界遺産への推薦が検討されている遺産の一覧である。世界遺産への推薦にはまずこの暫定リストにその地点が登録されている必要がある[9]。2020年現在、リトアニアでは2か所の遺産が暫定リストに登録されている[2]。
* 国境を越える遺産
名称 | 画像 | 位置 | 登録年 | 評価基準 | 説明 |
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トラカイ歴史国立公園(英語版) | ヴィリニュス郡 | 2003年 | 複合遺産 | 首都ヴィリニュスの25キロメートル西に位置するトラカイ公園は、1991年、セイマスによって設立された。公園には重要種・希少種を含め、多種多様な動植物が生息している。また、トラカイにはリトアニア大公国の歴史・文化遺産が残されている[10]。 | |
カウナス 1919–1939: 近代建築運動に触発された首都 | カウナス郡 | 2017年 | (ii) 、(iv) 、文化遺産 | 1919年、リトアニアは旧来の首都ヴィリニュスを喪失。カウナスは新たな首都となった。このためこの都市では大規模な建築ブームが発生し、1919年から1939年にかけてカウナスは文化的に、特に建築において大きな躍進を遂げたのである。この時代に建てられた6千以上の建物が現存しており、カウナスでは近代建築運動の影響を受けた独特の街並みを見ることができる[11]。 |
関連項目
- 世界遺産の一覧 (ヨーロッパ)
出典
- ^ “The World Heritage Convention”. UNESCO World Heritage Centre. 27 August 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。21 September 2010閲覧。
- ^ a b c d “Lithuania”. UNESCO World Heritage Centre. 6 January 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。24 November 2019閲覧。
- ^ Gregory Sousa (25 April 2017). “UNESCO World Heritage Sites In Lithuania”. WorldAtlas. 16 December 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。20 July 2020閲覧。
- ^ a b “Curonian Spit”. UNESCO World Heritage Centre. 28 November 2005時点のオリジナルよりアーカイブ。20 October 2011閲覧。
- ^ a b “Struve Geodetic Arc”. UNESCO World Heritage Centre. 18 October 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。20 October 2011閲覧。
- ^ “UNESCO World Heritage Centre The Criteria for Selection”. UNESCO World Heritage Centre. 12 June 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。17 August 2018閲覧。
- ^ “Vilnius Historic Centre”. UNESCO World Heritage Centre. 27 October 2005時点のオリジナルよりアーカイブ。20 October 2011閲覧。
- ^ “Kernavė Archaeological Site (Cultural Reserve of Kernavė)”. UNESCO World Heritage Centre. 27 February 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。20 October 2011閲覧。
- ^ “Tentative Lists”. UNESCO World Heritage Centre. 1 April 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。7 October 2010閲覧。
- ^ “Trakai Historical National Park”. UNESCO World Heritage Centre. 12 December 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。15 December 2019閲覧。
- ^ “Kaunas 1919–1939: The Capital Inspired by the Modern Movement”. UNESCO World Heritage Centre. 29 January 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。15 December 2019閲覧。
リトアニアの世界遺産 | ||
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文化遺産 |
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自然遺産 | なし | |
複合遺産 | なし | |
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