ヴァードー

ヴァードー

Várggát  (北サーミ語)
Vuorea  (Kvensk)
Vuoreija  (フィンランド語)
都市
Vardø kommune
View of Vardø
View of Vardø
ヴァードーの紋章
徽章
ヴァードーの公式ロゴ
ノルウェーにおける
フィンマルク県の位置
フィンマルク県におけるヴァードーの位置
フィンマルク県におけるヴァードーの位置
座標: 北緯70度22分14秒 東経31度01分27秒 / 北緯70.37056度 東経31.02417度 / 70.37056; 31.02417座標: 北緯70度22分14秒 東経31度01分27秒 / 北緯70.37056度 東経31.02417度 / 70.37056; 31.02417
 ノルウェー
フィンマルク県
地区東フィンマルク
設立1838年1月1日
市役所ヴァードー
行政
 • 市長 (2023年現在)Tor Erik Labahå (Sp)
面積
 • 計600.85 km2
 • 陸地585.02 km2
 • 水面15.83 km2  2.6%
域内順位ノルウェー内第188位
人口(2024)
 • 計1,972人
 • 順位ノルウェー内第284位
 • 密度3.3人/km2
 • 人口推移(10年間)人口密度−6.9 %
族称Vardøværing[1]
等時帯中央ヨーロッパ時間(UTC+01:00)
 • 夏時間(DST中央ヨーロッパ夏時間(UTC+02:00)
ISO 3166コードNO-5634
公用語ブークモール
Statistics Norwayのデータ

ヴァードーVardoe.ogg Vardø[ヘルプ/ファイル], フィンランド語:Vuoreija, Vuorea, サーミ語:Várggát)は、ノルウェー王国フィンマルク県の町。面積601平方キロメートル[2]、人口1,972人(2024年[3])。ノルウェーの最も北東の地点にある。

地名の由来

ノース語のVargøyに由来する。vargrオオカミøyは島を表す。vargrはのちにケアンを意味するvarðaと替わった。

紋章

1895年から使用されている。漁船とタラ、朝日を表す。ラテン語でモットーVARDØENSIS INSIGNIA URBIS. CEDANT TENEBRÆ SOLI.(ヴァードーの紋章。暗闇は太陽への道筋を常に与える)が書かれている。

歴史

旧市街地の街頭芸術
Østervågenの古民家
Vardøhus要塞と市内唯一の木。毎年冬の前に覆われる。

石器時代やサーミ鉄器時代の遺跡が島に残っており、定住者が居たと考えられている。

1307年、教会と最初の要塞が同時期に建てられた。中世にはノルウェー王国最東の要塞として重要視された。南東部のØstervågen地区では、800年以上前から住民が居たと記録されている。フィンマルクで唯一要塞や役所が有る重要な土地だったが、漁獲高の減少に伴って衰退した。

16世紀中期、人口は約400~500人だった。

17世紀、ヴァードーは魔女狩りの中心地だった。90人以上のノルウェー人やサーミ人が処刑された。

1789年、ヴァードーは町の地位を得た。人口は約100人まで減少した。

1850年以降、ロシア白海地方とのポモー交易によって町は再び発展した。1850年には人口は400人まで回復した。

1910年、人口が3000人を突破した。

第二次世界大戦では、ノルウェーはドイツ国防軍に占領された。ヴァードーはロシアを中心とする連合軍に激しく爆撃された。中心部の殆どは破壊され、住人は避難した。

戦後、中心部は完全に復興された。古い伝統的な建物はØstervågen地区等周辺部に残っている。

地理と気候

2001年4月のヴァードー

ヴァードーはノルウェーで最も東にある町で、実際にサンクトペテルブルクキエフイスタンブールよりも東に位置している。フィンマルク県の東端は、たとえ日中の時間が1時間以上多くても、県内の他所と同じ標準時である。

ヴァードー港はバレンツ海に面し、暖流北大西洋海流の影響で一年を通して不凍港である。ヴァードーはいつも、寒帯にあるノルウェー唯一の本土の町と称される。しかし厳密に言えばヴァードーのある島はヴァランゲル半島(英語版)の北東岸より2キロの位置にある。ヴァードーの7月の平均気温は9.1℃しかないが、冬は高緯度の割に温暖で、1月の平均気温は-5.1℃である。

島は海底トンネルを経由して本土とつながっている(ノルウェー初の海底トンネル)。ヴァードー空港はトンネル入り口の反対側にある、本土の自治体Svartnesである。ヴァードーは、ノルウェー沿岸部の町をまわるフェリーの寄港地の一つである。町はクレタ島シティアから続いたE75の最終地点である。

経済と観光

Vardøhus城塞の士官宿舎。階段をナナカマドが挟む。
ヴァードーのキルケガタ通りと教会
ヴァードーのStrandgaten通り

漁業と水産品加工がヴァードーの主たる収入源であるが、観光も重要な経済要素となりつつある。

ヴァードーの観光の目玉は、13世紀後半にできたというVardøhus城塞で、現在のものは1734年に作られたものである。町には2つの博物館があり、1つは白海沿岸貿易などの地域史と、野鳥、第二次世界大戦中のドイツ軍防御物の名残などを展示する。ヴァードーの雪合戦大会はユニークな催しとして知られる。

Vardøhus城塞には2本のナナカマドの木が立ち、入念に育てられ冬も暖かくしていた(普通、北極の樹木生育境界線より北にあるヴァードーの冷涼な気候では樹木が育つことはない)。1960年に最初に7本の木が植林された。そのうち1本は成長し、花を2度咲かせた。その木も寒い気候のため2002年に倒れてしまったが、新たに2本の若木が同じ場所に植えられた。

グローバスIIレーダー

1998年より、町にはグローバスIIという名のレーダーが配備されている。公式目的はスペースデブリ追跡となっている。しかし、設置場所がロシア国境に非常に近いことから、グローバスIIシステムとアメリカの迎撃ミサイルシステムとの関連が揶揄され、外交上の議論を巻き起こした。

野鳥

ホルノーの景色

ヴァードーのホルノーとレイノーにある海鳥のコロニーは、海岸部で最も目を引く場所である。ウミガラス類の小さな繁殖地となっている。港ではいつもシロカモメとアイスランド・カモメが見られる。

姉妹都市

脚注

  1. ^ "Navn på steder og personer: Innbyggjarnamn" (Norwegian). Språkrådet. 2015年12月1日閲覧
  2. ^ “09280: Areal av land og ferskvatn (km²) (K) 2007 - 2024”. Statistisk sentralbyrå. 2024年7月16日閲覧。
  3. ^ “07459: Alders- og kjønnsfordeling i kommuner, fylker og hele landets befolkning (K) 1986 - 2024”. Statistisk sentralbyrå. 2024年7月16日閲覧。
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