後戸(うしろど)は、仏堂の背後の扉。本堂の後ろにあるこの扉は宗教的な意味を持っており、後戸の正面に置かれている神仏は、本尊よりも根源的なものであったりすることがある[1]。
概要
東大寺法華堂の執金剛神、二月堂の小観音、常行堂の摩多羅神などが後戸の神とされる。修正会において、鬼は後戸から出現する[1]。後戸は人々が近づかない場所で[2]、秘められた空間であるとされる[3][4]。祇園精舎では、釈迦の弟子たちが釈迦の説法を外道に邪魔されないようにするために、後戸で歌舞音曲をして外道を引き付けた[5]。
大衆文化
出典
- ^ a b “後戸とは”. コトバンク. 世界大百科事典. 2022年10月29日閲覧。
- ^ 関裕二『古代史は知的冒険』PHP研究所、2015年1月6日、243頁。ISBN 978-4569821412。
- ^ 川村湊『闇の摩多羅神 変幻する異神の謎を追う』河出書房新社、2008年11月19日、30頁。ISBN 978-4309224947。
- ^ 富田三樹生『精神病院の底流』青弓社、1992年7月1日、128-129頁。ISBN 978-4787230546。
- ^ 夢枕獏『花歌舞伎徒然草』河出書房新社、2021年6月11日、40頁。ISBN 978-4309291437。