暗黒街のふたり

暗黒街のふたり
Deux Hommes dans la ville
監督 ジョゼ・ジョヴァンニ
脚本 ジョゼ・ジョヴァンニ
製作 アラン・ドロン
出演者 ジャン・ギャバン
アラン・ドロン
音楽 フィリップ・サルド
撮影 ジャン=ジャック・タルベ
配給 日本の旗 日本ヘラルド映画
公開 フランスの旗 1973年10月25日
日本の旗 1974年4月27日
上映時間 100分
製作国 フランスの旗 フランス
イタリアの旗 イタリア
言語 フランス語
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暗黒街のふたり』(Deux Hommes dans la ville)は、1973年フランスイタリア映画。監督はジョゼ・ジョヴァンニジャン・ギャバンアラン・ドロンが最後に共演した作品である[1]

ストーリー

ジーノ(A・ドロン)は三十歳。十年前に銀行強盗の首領として逮捕され、十二年の刑を受けたが、保護司のジェルマン・カズヌーブ(J・ギャバン)の力添えによって出所することが出来た。彼には美しい妻ソフィー(I・オッキーニ)が待っていた。ジーノの新しい生活が始まった。妻は小さな花屋を経営しており、それは質素だが、明るい、楽しい日々だった。ある日、ジーノの出所を知った昔の仲間がやってきた。再び手を組んで大仕事をしようという。ジーノはきっぱりと断わった。犯罪歴を持つ者はパリを始め、大都会、港町に住むことを許されない、いわゆる“所払い”というやつだ。ジーノと妻はやがてモー市に移住した。一方、ジェルマンもモンペリエに移住した。軽犯罪係への転勤ということだが、ていのいい左遷であった。それでも、ジーノとジェルマンの家族は、週末にはピクニックに出かけた。突然、悲劇がジーノを襲った。楽しいピクニックの帰路、暴走してくる二台の車を避けようとしたジーノのスポーツカーは横転して、大破したのだ。この事故で最愛の妻ソフィーが死んだ。自暴自棄の日々が続いた。月日が流れ、ようやく傷が癒えると、ジェルマンのすすめでモンペリエに移り、刑務所で身につけた印刷技術に助けられ、印刷工場で働くことになった。そして、新しい恋人ルシー(M・ファーマー)がジーノの前に現われた。同時に、ジーノの運命を変えるもう一人の人間が出現した。この地に赴任してきたゴワトロー警部(M・ブーケ)だった。もう忘れかけていた十年前、銀行に押し入ったジーノを捕えたのがゴワトローだった。以後、ゴワトローの執拗な監視の眼が、ジーノを追い廻し始めた。ある日、ジェルマンのところへ、ルシーがとび込んできた。「ジーノが警察に留置されている」。容疑は何もなかったが、ゴワトローは異常な程ジーノを憎んでいた。偶然、ガソリン・スタンドで昔の仲間と会ったことが、ゴワトローの気に入らなかったのだ。しかし、ジーノは二度と昔の仲間と仕事する気はない。ゴワトローは彼を信ぜず、二度と奴らに会わない宣誓書を書けという。無茶苦茶な要求だったが前科者は常に弱い。釈放されてからも、ゴワトローの追求は続いた。そんなとき、昔の仲間が銀行を襲った。もちろんジーノとは無関係だったが、ゴワトローはジーノが首領だと思いこんでいる。重傷を負った一人を病室のベッドで尋問するが、ジーノの犯行を立証出来ないゴワトローは、ついに彼の家にまで押しかけ、ルシーを脅迫する。これを蔭で盗み見ていたジーノの怒りが爆発した。ゴワトローがルシーの身体に手をかけたときジーノはゴワトローに襲いかかり、首をしめ上げた。ゴワトローは死に、ジーノは逮捕された。公判、過去に犯した行為が決定的に心証を悪くしている上、被害者は刑事だ。検事のたくみな弁舌がより一層、極悪人としてのジーノを印象づけた。ジーノの女性弁護士(M・リボフスカ)は、犯罪を誘う要素が、この国に存在することを強く指摘した。処刑の際の十七世紀の遺物ギロチンが、いまだに使われているような古さを、あの劣悪な刑務所内の環境を。しかし、裁判官も陪審員も彼女の弁論には無関心であった。既に結論は最初から出ていたのだ。判決が出た。求刑どうり死刑だった。大統領への助命嘆願も拒否され、処刑の日がやってきた。ギロチン前に引きだされたジーノが、最後に振り向いたときの眼が、ジェルマンの心に焼きついた。

キャスト

※括弧内は日本語吹替(初回放送1977年4月17日『日曜洋画劇場』)

スタッフ

出典

  1. ^ “暗黒街のふたり”. ザ・シネマ. 2021年2月9日閲覧。

外部リンク

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