『砂漠は生きている』(さばくはいきている、原題: The Living Desert)は、ウォルト・ディズニーによって1953年に製作されたドキュメンタリー映画。アメリカ合衆国南西部の砂漠に生きる動物たちの日常を記録した作品。脚本は、ジェームス・アルガー、ウィンストン・ヒブラー、ジャック・モフィット、テッド・シアーズ。ジェームス・アルガーが監督し、ウィンストン・ヒブラーがナレーターを務めた。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を獲得。2000年にアメリカ議会図書館はこの映画が「文化的に重要である」と認定し、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
声の出演
日本では、ヒブラーのナレーションを吹き替えた日本語吹替版が、以下の4種類制作されている。
評価
子供の頃から昆虫や小動物の生活を書いた本が大好きだったという三島由紀夫は、「アメリカ映画ノオト」の中でこの映画を好評している[3]。
こいつは正真正銘の傑作だ。もつとも人間といふ厄介な代物が出て来なければ傑作を生み出すのは(技術的な労苦は別として)、さほど難中の難事ではなからうが。(中略)
この映画で、
アメリカ西部の砂漠の「鳥獣劇画」に堪能した。私はどういふものか、
山猫、
カンガルー鼠、
栗鼠みたいなムクムクしたものが好きだ。あるひはチョロチョロしたものが。しかし、
伊達者でもつとも感心したのは赤尾
鷹のすばらしい横顔と、翼をひろげた壮麗なポーズとである。これには
ハリウッドのよほどの伊達者もちよつと敵ふまい。
— 三島由紀夫「アメリカ映画ノオト」[3]
日本での公開
- 学校での興行
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- 日本では、当時の文部省により、なかば強制的にすべての義務教育校で鑑賞が義務づけられた。そのためディズニーおよび、配給した大映は通常の映画館での興行では得られない莫大な利益を手にすることとなった。あまりにも露骨なやり方だったため他省庁から非難され、以後2社はこのような形の観客動員を行わなかった。
- テレビ放送
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脚注
[脚注の使い方]
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)121頁
- ^ 初回放送1980年1月3日19:30-20:55『ディズニースペシャル』
- ^ a b 三島由紀夫「アメリカ映画ノオト」(スクリーン 1954年12月号)。28巻 & 2003-03, pp. 399–403、和田誠編『モンローもいる暗い部屋(新潮社、1985年8月)所収
- ^ 『毎日新聞』毎日新聞社、1980年1月3日付ラジオ・テレビ欄。
参考文献
外部リンク
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1942–1960 | - ミッドウェイ海戦 / Kokoda Front Line! / ナチス崩壊への道 モスクワ攻防戦 / 戦争の序曲〜大戦前夜(1942)
- 砂漠の狐 ロンメルを追え(1943)
- The Fighting Lady(1944)
- The True Glory(1945)
- Design for Death(1947)
- The Secret Land(1948)
- Daybreak in Udi(1949)
- The Titan: Story of Michelangelo(1950)
- Kon-Tiki(1951)
- The Sea Around Us(1952)
- 砂漠は生きている(1953)
- 滅びゆく大草原(1954)
- Helen Keller in Her Story(1955)
- 沈黙の世界(1956)
- Albert Schweitzer(1957)
- 白い荒野(1958)
- 猛獣境ゴロンゴロ(1959)
- 金色の名馬ノーチカル号(1960)
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1961–1980 | - 空と泥(1961)
- Black Fox: The Rise and Fall of Adolf Hitler(1962)
- Robert Frost: A Lover's Quarrel with the World(1963)
- 太陽のとどかぬ世界(1964)
- The Eleanor Roosevelt Story(1965)
- The War Game(1966)
- アンダーソン・プラトーン(1967)
- Journey into Self(1968)
- Arthur Rubinstein – The Love of Life(1969)
- ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間(1970)
- 大自然の闘争/驚異の昆虫世界(1971)
- Marjoe(1972)
- The Great American Cowboy(1973)
- ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実(1974)
- The Man Who Skied Down Everest(1975)
- Harlan County, USA(1976)
- 愛のファミリー(1977)
- Scared Straight!(1978)
- Best Boy(1979)
- 毛沢東からモーツァルトへ/中国のアイザック・スターン(1980)
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1981–2000 | - ジェノサイド ナチスの虐殺 ホロコーストの真実(1981)
- Just Another Missing Kid(1982)
- He Makes Me Feel Like Dancin'(1983)
- ハーヴェイ・ミルク(1984)
- Broken Rainbow(1985)
- Artie Shaw: Time Is All You've Got / Down and Out in America(1986)
- The Ten-Year Lunch(1987)
- ホテル・テルミニュス 戦犯クラウス・バルビーの生涯(1988)
- Common Threads: Stories from the Quilt(1989)
- American Dream(1990)
- In the Shadow of the Stars(1991)
- The Panama Deception(1992)
- I Am a Promise: The Children of Stanton Elementary School(1993)
- Maya Lin: A Strong Clear Vision(1994)
- アンネ・フランクを忘れない(1995)
- モハメド・アリ かけがえのない日々(1996)
- ロング ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道(1997)
- The Last Days(1998)
- [ブラック・セプテンバー] ミュンヘン・テロ事件の真実(1999)
- INTO THE ARMS OF STRANGERS ホロコースト: 救出された子供たち(2000)
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2001–2020 | |
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2021– | |
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