稲村徹元

稲村 徹元(いなむら てつげん(てつもと)[1]1928年 - )は、日本書誌学者

来歴

宮城県仙台市で石川安吉の三男として生まれる。初名は清[2]1929年叔父稲村坦元の養子となり、埼玉県浦和市で育つ。駒澤大学高等師範史学科卒業。大学在学中の1946年から書物展望社に通い、斎藤昌三や「火金会」の人々と交流をもった。

1948年に国会図書館の司書となり、1990年まで勤務。国会図書館の最初の館員で、戦後の書誌学を推進した[3]。その後、埼玉純真短期大学教授に就任[4]

著書

単著

  • 『印刷カード業務改善の諸問題 : 他の書誌サービス,特に「納本週報」との関係にふれつつ (国立国会図書館と書誌活動)』国立国会図書館〈図書館研究シリーズ. 3〉、1960年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1010933 
  • 『国立国会図書館に関する文献目録 1948-1958』稲村徹元、1962年。https://dl.ndl.go.jp/pid/2935897/1/3 
  • 「稲村坦元略年譜及業績年表」稲村徹元、1964
  • 『夏目漱石文献目録剳記 : 書誌の評価・試論』国立国会図書館〈図書館研究シリーズ. 9〉、1965年。https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/1011002 
  • 『戦前期における参考事務のあゆみと帝国図書館 : 資料紹介「読書相談ノ近況」(昭和十年六月帝国図書館)』国立国会図書館〈参考書誌研究(3)〉、1971年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3050867 
  • 『「海外新聞」の関与者本間潜蔵(本間清雄)伝覚え書』国立国会図書館〈参考書誌研究(6)〉、1972年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3050916 
  • 『索引の話』日本図書館協会、1977年。https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/12399788 
  • 『国立国会図書館展示会目録集覧. 付上野図書館展覧会目録年表(稿)』国立国会図書館、1985年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3051219 
  • 『探訪記 フィリッピン大学アジアセソター』国立国会図書館、1985年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3051225 
  • 『「落穂拾い」の余話』国立国会図書館、1986年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3051250 
  • 『「真理がわれらを自由にする」文献考』国立国会図書館、1989年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3051271 
  • 『新出資料による『図書館管理法』原型の考察 : 「学校書籍館管理一班」未定稿の成立と東京図書館』国立国会図書館、1990年。https://dl.ndl.go.jp/pid/3051305 
  • 『書物の趣味 第4巻 (書誌書目シリーズ ; 28)』ゆまに書房〈7巻〉、1990年。https://dl.ndl.go.jp/pid/13595719 
  • 『武蔵における社寺と古文化 - 稲村坦元論文集』さきたま出版会、1999年。 

共著・雑誌

  • 小田泰正、伊藤松彦『逐次刊行物の移転 (新庁舎の完成と移転)』国立国会図書館〈図書館研究シリーズ. 6〉、1962年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1010973 
  • 朝倉治彦『明治世相編年辞典』東京堂出版、1965年。https://dl.ndl.go.jp/pid/2991287 
  • 佐久間信子『「小冊子」問題の20年 : 国立国会図書館における経緯と関係資料解説』国立国会図書館、1968年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1011015 
  • 井門寛、丸山信『大正過去帳 : 物故人名辞典』東京美術、1973年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12192848/1/3 
  • 『石川県勧業博物館「勧業諸報標目」考』弥吉光長先生喜寿記念会〈図書館と出版文化 弥吉光長先生喜寿記念論文集〉、1977年、19 - 34頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/12289104/1/22 
  • 「漱石本の形成と橋口五葉 : ブックデザインにおける著者の役割」『出版研究』第7巻、日本出版学会、1976年11月5日、86 - 108頁。 
  • 「明治・大正・昭和前期雑誌記事索引集成」石山洋、大久保久雄、宮地幹夫、皓星社、1994-95年
  • 朝倉治彦『明治世相編年辞典 : 新装版』東京堂出版、1995年。 

編著

  • 『年譜(稻村徹元 編 / 410~ )、參考文獻(稻村徹元・山口美代子編 / 421~ )』筑摩書房〈明治文学全集 第42 徳富蘆花集〉、1966年。https://dl.ndl.go.jp/pid/1663442 
  • 森崎富貴子、山口美代子 共 編『明治記録文学年表』筑摩書房〈明治文学全集 第96〉、1967年、413 - 431頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/1663403 
  • 佃実夫共編『辞典の辞典』文和書房、1975年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12400360/1/3 
  • 『斎藤昌三著編書年譜』八潮書店〈斎藤昌三著作集 第5巻 書物随筆3〉、1981年、292 - 307頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/12235234/1/155 
  • さいたま土屋会 編『名族・土屋氏 : その系譜と事績』さきたま出版会、1999年12月。ISBN 4-87891-350-9。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002852789 

監修・解説・あとがき

解説

  • 中根粛治 『日本印書考、芸軒清話、支那書史學稿』(稲村徹元 解説)青裳堂書店〈日本書誌学大系20〉、1982年。https://dl.ndl.go.jp/pid/12236362/1/3 

論文・記事等

  • CiNii>稲村徹元

関連書

  • 南陀楼綾繁 著「蒐める人 情熱と執着のゆくえ」皓星社、2018.8(稲村徹元、串間努ら7人に行った2001~2004年のインタビューを収録)[6]

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ “第3号(1953.11)稲村徹元(いなむらてつもと)「現代史の横顔──太平洋戦争第二次世界大戦をめぐる諸文献の紹介」”. 駒澤大学. 2023年12月16日閲覧。
  2. ^ 稲村徹元「稲村坦元 年譜および著作目録」『武蔵における社寺と古文化 稲村坦元論文集』、さきたま出版会、1999年
  3. ^ “南陀楼綾繁 著「蒐める人 情熱と執着のゆくえ」皓星社”. ビジネス香川 (2018年9月6日). 2023年12月16日閲覧。
  4. ^ “稲村徹元”. honto. 2023年12月16日閲覧。
  5. ^ “「図書館学関係文献目録集成 - 戦後編(1945~1969)」全4巻”. 金沢文圃閣. 2023年12月16日閲覧。
  6. ^ “「蒐める人 情熱と執着のゆくえ」皓星社”. 東京都立図書館. 2023年12月16日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 稲村 徹元 - Web NDL Authorities