JR西日本287系電車
JR西日本287系電車 | |
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きのくに線を走行する287系 | |
基本情報 | |
運用者 | 西日本旅客鉄道 |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー 近畿車輛 |
製造年 | 2010年 - 2012年 |
製造数 | 97両 |
運用開始 | 2011年3月12日 |
投入先 | くろしお こうのとり きのさき はしだて まいづる まほろば らくラクやまと |
主要諸元 | |
編成 | 3・4・6両(全車0.5M電動車) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 130(曲線通過+15km/h) km/h |
設計最高速度 | 130 km/h |
起動加速度 | 1.6 km/h/s[* 1] |
減速度(常用) | 4.6 km/h/s[* 2] |
減速度(非常) | 5.2 km/h/s[* 2] |
編成定員 | 345名(普)+15名(グ)=360名 (6両編成時) |
編成重量 | 236.8 t (6両編成時) |
全長 | 21,100 mm |
車体長 | 先頭車:20,670 mm 中間車:20,600 mm |
全幅 | 2,915 mm |
全高 | 先頭車:4,090 mm 中間車:3,855 mm 集電装置折畳高:3,970 mm |
車体高 | 3,490 mm |
車体 | アルミニウム合金 |
台車 | 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付) 動力台車:WDT67 付随台車:WTR249・WTR249A |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 WMT106-G1 |
主電動機出力 | 270 kW |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 5.65 |
編成出力 | 6両編成:270kW×2×6=3,240kW 4両編成:270kW×2×4=2,160kW 3両編成:270kW×2×3=1,620kW |
制御方式 | 2レベルIGBT-VVVFインバータ制御 |
制御装置 | WPC15A-G2(静止形インバータ一体型) |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重・遅れ込め・直通・救援・抑速・耐雪ブレーキ付き) |
保安装置 | ATS-SW2・ATS-P3、列車防護無線装置 EB・TE装置 |
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287系電車(287けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流特急形車両である。
概要
特急「きのさき」や「こうのとり」(2011年(平成23年)3月11日までは「北近畿」[1])などの「北近畿ビッグXネットワーク」で運用されている183系老朽化にともなう置き換え用として、4両編成×7本(28両)と3両編成×6本(18両)の計46両を約80億円をかけて導入することが発表され[2]、2011年(平成23年)3月12日のダイヤ改正から運転を開始した[3]。
また、南紀方面の特急「くろしお」用として、6両編成×6本(36両)と、3両編成×5本(15両)の計51両も製造が発表され[4][5]、2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正から営業運転を開始した[6]。
現在は「くろしお」「まほろば」「こうのとり」「はしだて」「きのさき」「まいづる」「らくラクやまと」で運用されている。
構造
車体
特急「サンダーバード」で使用されている683系4000番台の設計思想が踏襲されており、全電動車編成とすることによって、車両構体の共通化によるコスト削減が図られている。具体的には、パンタグラフ搭載スペースは全車種に2か所ずつ設けられたほか、どの車種にも車両制御装置・空気圧縮機・蓄電池を搭載できるようになっている。
オフセット衝突対策として近郊型の225系に続き衝撃吸収構造を採用した。車体配色も681系に準じているが、客室側窓下部のラインカラー帯については、北近畿方面用の車両は「北近畿」で馴染みがあり沿線の緑豊かな地域に映えるダークレッド■を、「くろしお」用の車両は283系で既に採用されているオーシャングリーン■を、それぞれ採用している。
- ダークレッドの帯が施された北近畿方面用の287系
- オーシャングリーンの帯が施された「くろしお」用の287系
主要機器
125系や321系・225系で採用された、0.5Mシステムと呼ばれる、運転に必要な機器類を1両にまとめて搭載する考え方を基本とし、すべての車両が電動車である。そのため、全車両に車両制御装置[注 1]を搭載するが、集電装置・空気圧縮機の有無によって287形と286形の区別を行っている。
電源・制御機器
車両制御装置(WPC15A-G2)は東洋電機製造と東芝が製造を担当した。主回路部はIGBT素子による2レベル電圧形PWMインバータ1基で2基の電動機を制御する、いわゆる1C2M構成のVVVFインバータを搭載し、速度センサレスベクトル制御および純電気ブレーキに対応している。これに対し補助電源部は三相交流440V、75kVAの容量を有している。主回路部と同じくIGBTを用いた2レベル電圧形PWMインバータをCVCF制御し、他車の補助電源部と並列運転を行うことで故障時の編成全体での冗長性を確保する設計である。
集電装置はシングルアーム型のWPS28C を採用し、クモハ287・モハ287形後位寄りに1基搭載を基本とする[注 2]。バネ上昇、空気下降式で電磁カギ外し装置および上昇検知装置を備える。北近畿方面の特急列車用として落成した3両編成の一部と4両編成では、各車あたり2基搭載されるが、それ以外の編成では各車あたり1基搭載されている[注 3]。なお、中間車両(モハ287形)では、集電装置の関節を車端側に向けているが、先頭車両(クモハ287形)の場合は、城崎温泉方に向けている。
主電動機は、センサレスベクトル制御を採用した1時間定格出力270kWのかご形三相誘導電動機(WMT106A-G1)が1両当たり2基搭載されている。
電動空気圧縮機は、223系2000番台などの実績である除湿装置一体型の低騒音形スクリュー式 WMH3098-WRC1600 を採用し、モハ287形・クモハ287形に1基搭載されている。
車両情報システムとして、321系・225系と同様のデジタル転送装置を採用した。伝達速度の高速化・高容量化を図っている。
空調装置は、集中式の WAU704E が1両あたり1基屋根上に搭載される。冷房能力は39,000kcal/hであり、フロン規制対応冷媒 (R407C) を使用している。
台車
台車は、225系や683系4000番台をベースとした軸はり式ボルスタレス台車を採用し、部品共通化および省メンテナンス化を図っている[7][8]。225系に準じてバネ帽部の強化構造の採用や省メンテナンス化を図るための速度発電機の非接触化、ワンタッチカプラ化された空気ホースを採用するとともに、乗り心地改善のために683系と同等のアンチローリング装置を搭載する[7]。0.5Mシステムを採用したことから、1両あたり電動台車 (WDT67) と付随台車 (WTR249) を1台ずつとしている[8]。ただし、先頭車両(クモロハ286形・クモハ287形・クモハ286形)の付随台車に関しては、駐車ブレーキを備えたWTR249Aを装着する[8]。雨天時の車輪粘着を考慮し、クモハ286形・クモロハ286形のみ付随台車が前位(運転室寄り)となっている。他は電動台車を後位[注 4]に、付随台車を前位[注 5]に装着する。
基礎ブレーキは、電動台車が踏面ブレーキ、付随台車が踏面ブレーキと1車軸あたり2枚のディスクブレーキの併用である[8]。
低重心設計により曲線通過性能の向上が図られている681系・683系をベースとしていることと、製造コスト削減の目的から、381系と異なり振り子機能は搭載されていない。曲線通過速度はR=400m以上で最大本則+15km/hと振り子式車両より10km/h程度低く設定されており、これにより「くろしお」では381系・283系と比較して約3 - 6分程度、所要時間を多く要している。
その他装備
連結器は1編成を1車両として運用する考え方を基本としたため、中間連結部は半永久連結器を使用している。先頭車運転台寄りの連結器は電気連結器・自動解結装置を備えた密着連結器である。
保安装置は、新製当初からATS-SW・ATS-Pに加えてEB・TE装置、映像音声記録装置を搭載する[9]。ATS制御装置は、従来のATS-P制御装置を小型化し、ATS-SWとの機能集約を行ったATS-P3制御装置を新設計した[10][11]。
車内
客室内にLED式の車内案内表示装置が設置され、グリーン車の全席と普通車の車端部座席にモバイル機器などの使用に対応したコンセントが設置されている。
3両に2両の割合で便所(小便器1か所と洋式大便器1か所)が設置されている。そのうち、編成中に1か所、女性専用トイレが設けられている。さらに、バリアフリー設備として多目的室や車いすスペースが編成中に1か所設置されている。
座席は683系4000番台に準じた回転リクライニングシートを採用し、グリーン席は茶色表地の1+2列配置で1,160mmピッチ、普通席は青色表地の2+2列配置で970mmピッチで展開する。
乗降扉は原則として後位に690mmの引戸で1か所としているが、車いすスペースが設置された車両については前位に1,000mmの引戸を追加し2か所となっている。また、乗降扉にはドアチャイムが設置されている。
- 普通車車内
- グリーン車車内
形式・編成
- クモロハ286形 (M'sc)
- グリーン席と普通席を備える貫通型(準備工事のみ)の制御電動車。前位寄りにトイレ・洗面所、後位寄りに乗降扉1か所と運転台が設置され、車両制御装置・蓄電池などを搭載する。定員15名(グリーン席)+23名(普通席)、計38名。形式記号は日本国有鉄道(国鉄)時代を含めて初の「クモロハ」となった[注 6]。
- クモハ287形 (Mc)
- 普通席を備える貫通型の制御電動車。前位寄りに運転台、後位寄りに乗降扉1か所が設置され、車両制御装置・蓄電池・空気圧縮機・集電装置などを搭載する。定員64名。
- クモハ286形 (M'c)
- 普通席を備える貫通型の制御電動車。前位寄りにトイレ(女性専用含む)・洗面所、後位寄りに運転台と乗降扉1か所が設置され、車両制御装置・蓄電池などを搭載する。定員56名。
- モハ287形
- 普通席を備える中間電動車。車両制御装置・蓄電池・空気圧縮機・集電装置などを搭載する。
- 100番台 (M)
- 乗降扉2か所・多機能トイレ・洗面所・多目的室・車椅子スペースが設置されている。定員50名。
- 200番台 (M2)
- 乗降扉1か所・車販準備室が設置されている。定員72名。
- モハ286形
- 普通席を備える中間電動車。車両制御装置・蓄電池などを搭載する。
- 0番台 (M')
- 乗降扉1か所・トイレ(含む女性専用)・洗面所が設置されている。定員68名。
- 100番台 (M'1)
- 乗降扉2か所・多機能トイレ・洗面所・車椅子スペースが設置されている。定員58名。
- 200番台 (M'2)
- 乗降扉2か所・多機能トイレ・洗面所・多目的室・車椅子スペース・業務用室・車掌室が設置されている。定員50名。
- クモロハ286形
(クモロハ286-2) - クモハ287形
(クモハ287-3) - クモハ286形
(クモハ286-6) - モハ287形100番台
(モハ287-101) - モハ286形0番台
(モハ286-2) - モハ286形100番台
(モハ286-106)
編成
吹田総合車両所福知山支所所属
原則として「まいづる」は付属編成での運用、ほかは基本編成での運用となり、「まいづる」は全列車京都駅 - 綾部駅間は「きのさき」または「はしだて」と併結される。また多客期を中心に付属編成を連結した7両編成で運転されることもある。しかし「こうのとり」の一部において、付属編成のみの定期運用もある。
編成記号 | ← 京都・新大阪/天橋立/東舞鶴 城崎温泉・宮津 → | |||
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FA編成 | > > クモハ 287-0 (Mc) | モハ 286-0 (M') | < > モハ 287-100 (M) | クモロハ 286-0 (M'sc) |
FC編成 | > > クモハ 287-0 (Mc) | モハ 286-100 (M'1) | クモハ 286-0 (M'c) |
吹田総合車両所日根野支所所属
投入当初は車内販売(現在は営業休止)に対応するため、車内販売用設備を備えたモハ287形200番台を連結する。付属編成は北近畿ビッグXネットワーク用と編成が同じことから、後述のように北近畿ビッグXネットワーク用の代用として使用されることがある。
「くろしお」は基本編成のみの6両編成で運用されるが、京都駅 - 白浜駅間では付属編成を連結して9両編成となる場合もある。白浜駅 - 新宮駅間での運用は2015年(平成27年)10月31日から(同時に幌の連結を廃止)。「らくラクやまと」「まほろば」は付属編成のみの3両編成で運用される。
編成記号 | ← 京都 新宮・奈良(大阪環状線経由) → | |||||
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HC60X 編成 | > クモハ 287-0 (Mc) | モハ 286-0 (M') | モハ 286-200 (M'2) | > モハ 287-200 (M2) | モハ 286-0 (M') | クモロハ 286-0 (M'sc) |
HC63X 編成 | > クモハ 287-0 (Mc) | モハ 286-100 (M'1) | クモハ 286-0 (M'c) |
編成表
2024年(令和6年)4月1日現在[12]
編成番号 | ← 京都・新大阪/天橋立/東舞鶴 城崎温泉・宮津 → | 落成日 | 備考 | |||
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クモハ 287 | モハ 286 | モハ 287 | クモロハ 286 | |||
FA01 | 1 | 1 | 101 | 1 | 2010年11月29日 (近車) | |
FA02 | 3 | 2 | 102 | 2 | 2011年2月15日 (近車) | |
FA03 | 4 | 3 | 103 | 3 | 2011年2月22日 (近車) | |
FA04 | 6 | 4 | 104 | 4 | 2011年3月3日 (近車) | KYOTO SANGA TRAIN[14] |
FA05 | 8 | 5 | 105 | 5 | 2011年4月7日 (近車) | |
FA06 | 10 | 6 | 106 | 6 | 2011年5月10日 (近車) | |
FA07 | 12 | 7 | 107 | 7 | 2011年6月9日 (近車) | |
編成番号 | クモハ 287 | モハ 286 | クモハ 286 | 落成日 | 備考 | |
FC01 | 2 | 101 | 1 | 2010年11月29日 (近車) | ||
FC02 | 5 | 102 | 2 | 2011年2月15日 (近車) | KYOTO SANGA TRAIN[14] | |
FC03 | 7 | 103 | 3 | 2011年3月3日 (近車) | ||
FC04 | 9 | 104 | 4 | 2011年4月7日 (近車) | ||
FC05 | 11 | 105 | 5 | 2011年5月10日 (近車) | ||
FC06 | 13 | 106 | 6 | 2011年6月9日 (近車) |
編成番号 | ← 京都 新宮・奈良(大阪環状線経由) → | 落成日 | 備考 | |||||
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クモハ 287 | モハ 286 | モハ 286 | モハ 287 | モハ 286 | クモロハ 286 | |||
HC601 | 14 | 8 | 201 | 201 | 9 | 8 | 2011年8月9日 (近車) | パンダくろしお 『Smileアドベンチャートレイン』 |
HC602 | 15 | 10 | 202 | 202 | 11 | 9 | 2011年9月27日 (近車) | |
HC603 | 16 | 12 | 203 | 203 | 13 | 10 | 2012年2月17日 (川重) | |
HC604 | 19 | 14 | 204 | 204 | 15 | 11 | 2012年4月5日 (川重) | パンダくろしお 『サステナブルSmileトレイン』 |
HC605 | 20 | 16 | 205 | 205 | 17 | 12 | 2012年4月16日 (川重) | パンダくろしお 『Smileアドベンチャートレイン』 |
HC606 | 23 | 18 | 206 | 206 | 19 | 13 | 2012年6月21日 (川重) | ロケットカイロス号 |
編成番号 | クモハ 287 | モハ 286 | クモハ 286 | 落成日 | 備考 | |||
HC631 | 17 | 107 | 7 | 2012年2月29日 (川重) | ||||
HC632 | 18 | 108 | 8 | 2012年3月15日 (川重) | ||||
HC633 | 21 | 109 | 9 | 2012年6月7日 (川重) | ||||
HC634 | 22 | 110 | 10 | |||||
HC635 | 24 | 111 | 11 | 2012年7月5日 (川重) |
車両配置と運用線区
2024年(令和6年)4月1日現在の配置区所と運用線区は以下のとおり[12]。
吹田総合車両所福知山支所
吹田総合車両所福知山支所(旧:福知山電車区)には、基本編成(FA編成)の4両編成×7本(FA01 - FA07編成)と、付属編成(FC編成)の3両編成×6本(FC01 - FC06編成)の合計46両が所属している[13]。
2010年(平成22年)11月29日に最初の編成(4両編成+3両編成)が近畿車輛を出場し、試運転を行った[16]。その後、東海道・山陽本線向日町操車場 - 網干駅間[17]や、山陰本線京都駅 - 城崎温泉駅間[18]、北近畿タンゴ鉄道(現:WILLER TRAINS)などで試運転が行われた[19]。
2011年(平成23年)2月15日には4両編成が[20]、同年2月22日には2編成(4両編成+3両編成)が近畿車輛を出場し、試運転を行った[21]。
2011年(平成23年)3月12日のダイヤ改正で、25両(FA編成4本、FC編成3本)が以下の列車で営業運転を開始し(「こうのとり」は3往復のみ)[3]、同年6月1日に21両(FA編成3本、FC編成3本)が追加投入された[22][注 7]。
2016年(平成28年)3月26日のダイヤ改正で、福知山電車区の289系の運用が「こうのとり」に集約されたことに伴い、「きのさき」と「はしだて」と「まいづる」のJR西日本所属車はすべて本系列に統一された(「はしだて」と「まいづる」で運用されているKTR8000形はWILLER TRAINSの車両(保有は北近畿タンゴ鉄道)である)。
2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正で、「きのさき」「はしだて」各1往復が289系の運用になり、「こうのとり」の本系列の運用が2往復から5往復に増加した。
2019年(平成31年)3月16日のダイヤ改正で、「こうのとり」の本系列の運用が5往復から6往復に増加し、「きのさき」の本系列の運用が9往復から8往復に減少した。
2024年(令和6年)より、FA04編成とFC02編成が「KYOTO SANGA TRAIN」となり[23]、FC02編成は2月2日より、FA04編成は2月10日より運行を開始し[14]、2027年(令和9年)頃までの運行を予定している[23]。
2024年(令和6年)7月6日より、4両編成1本が「兵庫ディスティネーションキャンペーン アフターキャンペーン」の一環として、沿線の豊岡市や城崎温泉をデザインしたラッピングを実施し、2025年(令和7年)3月頃までの運行を予定している[24]。
- 2024年(令和6年)3月16日現在の運用
- 特急「こうのとり」:下り5・7・19・25号/上り2・6・16・18号[25][26]
- 特急「きのさき」:下り1・5・7・9・13・19号/上り2・10・12・18号[27][26]
- 特急「はしだて」:下り1・3・7号/上り4・6・10号[28][26]
- 特急「まいづる」:下り1・3・7・9・11・13号/上り2・4・10・12号[29][26]
- 福知山所属車
(FA編成) - 福知山所属車
(FC編成) - KYOTO SANGA TRAIN
吹田総合車両所日根野支所
吹田総合車両所日根野支所には、基本編成の6両編成×6本(HC601 - HC606編成)と、付属編成の3両編成×5本(HC631 - HC635編成)の計51両が所属している[15]。
2011年(平成23年)8月に第1編成が落成し、同年9月28日から試運転が行われた[30]。2012年2月29日には3両編成が川崎重工業を出場し、試運転を行った[31]。
2012年(平成24年)3月までに6両編成×3本、3両編成×2本が配置され、2012年(平成24年)4月から7月にかけて6両編成×3本、3両編成×3本が追加配置された。
2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正より、12両(6両編成×2本)が「くろしお」の4往復で営業運転を開始し[6]、同年6月1日に9両(6両編成1本、3両編成1本)が追加投入された[32][注 8]。
2015年(平成27年)1月にはHC631編成が福知山に貸し出され、「こうのとり」の運用に入った[33]。
2015年(平成27年)10月31日より、「くろしお」の381系が289系に置き換えられたが、289系は従来の287系の運用を担当、これにより287系は従来の381系の運用を担当することになり、白浜駅 - 新宮駅間での運用を開始した。
2017年(平成29年)8月5日より、HC605編成がアドベンチャーワールドの風景をラッピングした「パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』」となり、臨時列車「くろしお95号」として運転を開始した[34]。同年8月6日以降は「くろしお」の定期列車で運用を開始した[35]。なお、運行期間は当初は2019年(令和元年)11月までの予定だったが、後に2023年(令和5年)冬まで延長された。2019年(令和元年)12月にはHC601編成が同様のラッピングとなり2編成での運行となり、下り3・25号/上り6・26号に投入された[36]。更に2020年(令和2年)からはHC604編成が「パンダくろしお『サステナブルSmileトレイン』」のラッピングとなり、同年7月23日から運行を開始した[37]。
2023年(令和5年)3月31日より、HC606編成が沿線にあるスペースポート紀伊から打ち上げを実施したロケット「カイロス」を応援するため、「特急くろしお『ロケットカイロス号』」となり、先頭車の前面と側面にエンブレムが掲出された[38][39]。
2019年(令和元年)11月からは、大和路線およびおおさか東線の新大阪駅 - 奈良駅間(現在は大阪駅 - 奈良駅間)で不定期に運行される臨時特急「まほろば」に[40]、2024年3月からは、大和路線および大阪環状線の新大阪駅 - 奈良駅間で運行される通勤特急「らくラクやまと」に、いずれも付属編成が充当されている[41]。
- 2024年(令和6年)3月16日現在の運用
- 特急「くろしお」:下り1・3・9・13・17・19・25・27・33号/上り4・6・8・16・20・22・26・28・32号[42][43]
- 下り1・25号/上り4・26号は「パンダくろしお」ラッピング編成で運転[44][45]。
- 通勤特急「らくラクやまと」[46][47]
- 臨時特急「まほろば」[48]
- 「パンダくろしお」仕様のHC605編成
- 「ロケットカイロス号」仕様のHC604編成
脚注
注釈
- ^ 主回路用インバータ(VVVF制御装置)と補助電源用静止形インバータ(CVCF装置)を一体化したもの。
- ^ クモロハ286・モハ286・クモハ286形は搭載準備工事にとどめている。
- ^ JR西日本が設計した特急形車両としては初めて2基搭載とした。
- ^ 東海道本線基準で神戸(下り)方
- ^ 東海道本線基準で東京(上り)方
- ^ 在来線電車のグリーン車は静粛性・揺れ防止等の観点から付随車が多い。JR九州787系電車のクモロ787形、国鉄151系電車のモロ151形・モロ150形、一部のジョイフルトレインなどで採用されているのみである。なお、在来線電車におけるこのような合造車は、時代を遡って1915年の京浜線運転開始に伴って製造されたデハ6340系電車の二等三等合造制御電動車デロハ6130形が初のケースである。
- ^ 「こうのとり」は車両増備の都合上、6月まで4往復(上り2・4・16・20号/下り5・9・13・19号)を381系で運用していた。
- ^ 車両増備の都合上、置き換える予定だった「くろしお」のうち3往復(下り7・15・19号/上り14・18・30号)は、6月まで従来の381系で運用していた。
出典
- ^ 『2010年10月定例社長会見』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2010年10月20日。オリジナルの2010年12月4日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20101204073305/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175023_799.html。
- ^ 『特急「きのさき」「北近畿」などへの新型特急形電車の投入について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2009年10月2日。オリジナルの2010年4月16日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20100416015708/http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174397_799.html。
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参考文献
記事
- 鍋谷武司(西日本旅客鉄道株式会社車両部車両設計室)「287系特急形直流電車」『鉄道ファン』第598号、交友社、2011年2月、58 - 62頁。
- 鍋谷武司(西日本旅客鉄道株式会社車両部車両設計室)「287系特急形直流電車の概要」『鉄道ジャーナル』第533号、鉄道ジャーナル社、2011年3月、77 - 81頁。
- 東恭弘(近畿車輛車両事業本部車両設計部)他2名「287系特急形電車」(PDF)『近畿車輛技報』、近畿車輛、2011年3月17日、32 - 35頁、 オリジナルの2014年7月23日時点におけるアーカイブ。
- JR西日本鉄道本部車両部設計課「JR西日本321系電車の概要」『Rolling stock & Machinery』第13巻第11号、日本鉄道車両機械技術協会、2005年11月、4 - 9頁。
書籍
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表』2014冬、交通新聞社、2013年12月、ISBN 978-4-330-42413-2。
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表』2024夏、交通新聞社、2024年5月、ISBN 978-4-330-02824-8。
- 「データで見るJR西日本」、西日本旅客鉄道。
- 『JTB小さな時刻表』2024年春、JTBパブリッシング、2024年2月。
外部リンク
- こうのとり :JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- くろしお :JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- “287系特急形電車” (PDF). 近畿車輛. 2014年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月6日閲覧。
- “特急「こうのとり」「きのさき」用287系登場。”. 鉄道ホビダス. 編集長敬白アーカイブ. ネコ・パブリッシング. 2020年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月3日閲覧。
- “「くろしお」用287系誕生。”. 鉄道ホビダス. 編集長敬白. ネコ・パブリッシング. 2020年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月8日閲覧。