石田直裕

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 石田直裕 六段
名前 石田直裕
生年月日 (1988-12-05) 1988年12月5日(35歳)
プロ入り年月日 2012年10月1日(23歳)
棋士番号 289
出身地 北海道名寄市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 所司和晴七段
段位 六段
棋士DB 石田直裕
戦績
一般棋戦優勝回数 1回
2024年7月18日現在
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石田 直裕(いしだ なおひろ、1988年12月5日 - )は、日本将棋連盟所属の将棋棋士所司和晴七段門下。棋士番号は289。北海道名寄市出身。地元の小中学校を経て、聖学院高等学校中央大学理工学部数学科卒業。

棋歴

級友と学校で対局したのが将棋を始めたきっかけであった[1]

2001年9月、6級で奨励会に入会。直後は成績が振るわず、1年後には“直近10局で2勝8敗”を2回喫し、奨励会規定により7級に降級、5級昇級に2年を費やした。それ以降は順調に昇級・昇段を続け、18歳となった直後に二段に昇段。1年半で三段に昇段し、第44回(平成20年後期)より三段リーグに参加。4期目の第47期では4勝14敗と不振に喘ぎ降段点を喫する苦労を味わったものの、8期目となる第51回(平成24年前期)で13勝5敗の成績(上村亘に次いで2位)を修め、大学を卒業した翌年の23歳でプロ入り。

奨励会三段枠で出場した第1期(2011年)加古川青流戦では、1回戦で当時既にプロとなっていた佐藤慎一四段を破った。(2回戦で奨励会員に敗退)

プロ入り後

2013年度(デビュー年度)は第26期竜王戦にて活躍。6組ランキング戦で決勝に進出し、いきなり5組への昇級を果たす(決勝で金井恒太に敗れ、準優勝)。

2014年度、第4期加古川青流戦で、決勝三番勝負に進出。藤森哲也に連勝して自身初の一般棋戦優勝を果たす。

2016年、第47期新人王戦で決勝に進出したが、増田康宏に連敗で敗れ、準優勝[2]

2017年度、第25期銀河戦の本戦ブロックを4連勝で突破し、初の決勝トーナメント進出(1回戦で船江恒平に敗戦)。また、同年度の8月15日、第59期王位戦予選(対北島忠雄七段)に勝ち、五段に昇段した[3]

2018年度、第31期竜王戦の5組ランキング戦で決勝に進出し、4組へ昇級する(決勝で藤井聡太に敗戦)。しかし、2021年度の第34期竜王戦にて3連敗を喫し、5組へ降級した。

棋風

居飛車党。近年は矢倉の採用が多い。角交換振り飛車破りが得意で、自身は角道を止めた四間飛車を指す。外連味のない真っ直ぐな将棋といわれる[4]

人物

  • 北海道日本ハムファイターズのファン[5][出典無効]。自身も将棋連盟の野球部「キングス」に所属している[6]
  • 父は自衛官[7] 奨励会入会から中学校を卒業するまでの間は、地元の北海道に居住し、奨励会の対局がある時は親に旭川空港新千歳空港まで送ってもらい、飛行機で東京の将棋会館に通う生活を続けていた[1]。中学卒業後、母とともに上京し、都内の聖学院高等学校に入学。[7]
  • 高3の時点で二段であったが、数学が得意であったことから、自己推薦入試[要曖昧さ回避]中央大学理工学部数学科へ進学した。
  • 北海道出身の奨励会員が棋士となるのは、1999年4月に四段となった金沢孝史以来13年ぶり。
  • 所司和晴七段門下の奨励会員が棋士となるのは、2001年10月に四段となった宮田敦史以来11年ぶり。また、同門下の兄弟子・渡辺明 (棋士)は高校の先輩である。[8]
  • 2020年10月より札幌市に開設される日本将棋連盟「北海道研修会」の幹事を同郷棋士4名(屋敷伸之中座真野月浩貴広瀬章人)と務めるなど、地元への普及活動にも熱心である。

エピソード

  • 2012年度よりNHK杯の記録係を務めていた。
  • 三段リーグにおける成績は67勝77敗(勝率4割7分)と負け越している。これは現行の三段リーグが制度化して以降11人目の記録である。
  • 前述通り、プロ入りするまでは大変な苦労をしており、「六級から七級に落ちた時、親に負担をかけて好きな将棋をさせてもらっているのに、あまりにも不甲斐なくて両親に申し訳なくて泣くしかなかった」[9]と語っている。また、石田の母親は「今でも、なんでうちの息子が四段になれたのだろうと思う。彼より強かったのに四段になれなかった人もいたはず。だからこそ、息子はもっと頑張らなければならない立場」[10]とコメントしている。
  • 2018年6月5日第31期竜王戦5組ランキング戦決勝の藤井聡太戦終盤で、藤井から△7七同飛成の強手を喰らった当時の心境を「ホームランを打たれたピッチャーのような気持ちでした」と語っている[11]
  • 2021年8月25日、新型コロナウイルスに感染したことが日本将棋連盟から発表された[12]。9月7日、症状消失による復帰が発表された[13]

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 2001年09月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 2006年02月00日 : 初段
  • 2006年12月00日 : 二段
  • 2008年07月00日 : 三段(第44回奨励会三段リーグ<2008年度後期>より三段リーグ参加)
  • 2012年10月01日 : 四段(第51回奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り[1]
  • 2017年08月15日 : 五段(勝数規定/公式戦100勝、通算100勝)[14]
  • 2024年07月18日 : 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝、通算220勝186敗)[15][16]

主な成績

一般棋戦優勝

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラス を参照。

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[17]
(出典)竜王戦
出典[18]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2012 71 四段昇段前 26 6組 -- 5-1
2013 72 C244 5-5 27 5組 -- 2-2
2014 73 C229 5-5 28 5組 -- 3-2
2015 74 C222 5-5 29 5組 -- 2-2
2016 75 C224 7-3 30 5組 -- 2-2
2017 76 C211 6-4 31 5組 -- 4-1
2018 77 C215 6-4 32 4組 -- 3-2
2019 78 C214 4-6 33 4組 -- 2-2
2020 79 C231 7-3 34 4組 -- 0-3
2021 80 C213 5-5 35 5組 -- 1-2
2022 81 C224 4-6 36 5組 -- 6-1
2023 82 C236 8-2 37 4組 -- 1-2
2024 83 C206 38 4組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2012 8 7 1 0.8750 [19]
2013 39 22 17 0.5641 [20]
2014 40 22 18 0.5500 [21]
2015 33 16 17 0.4848 [22]
2016 45 27 18 0.6000 [23]
2017 37 19 18 0.5135 [24]
2018 31 16 15 0.5161 [25]
2019 32 14 18 0.4375 [26]
2020 28 14 14 0.5000 [27]
2012-2020
(小計)
293 157 136
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 32 15 17 0.4687 [28]
2022 34 17 17 0.5000 [29]
2023 41 29 12 0.7073 [30]
2021-2023
(小計)
107 61 46
通算 400 218 182 0.5450 [31]
2023年度まで

その他表彰

  • 2012年 名寄市長特別賞[32]

出演

  • AbemaTV初級講座(2017年4月配信開始、AbemaTV[33]

脚注

  1. ^ a b c “新四段誕生(3人)のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月16日閲覧。
  2. ^ 第47期新人王戦決勝三番勝負第2局、増田四段が勝ち2連勝で新人王に|将棋ニュース|日本将棋連盟
  3. ^ 石田直裕四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟
  4. ^ 「将棋観戦が身近になる プロ棋士名鑑 2015」(宝島社)ほか
  5. ^ (Twitter@naohiro1205)
  6. ^ 武市三郎七段のゲッツー。石田直裕四段のタイムリーヒット。将棋連盟野球部「キングス」を紹介|将棋コラム|日本将棋連盟
  7. ^ a b “子どもに「プロ棋士になりたい」と言われたら 親の心得:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年7月15日閲覧。
  8. ^ “新四段など。 - 渡辺明ブログ”. blog.goo.ne.jp. 2020年7月15日閲覧。
  9. ^ “小学生で“死”を覚悟!プロ棋士を目指す子供に立ちはだかる、高すぎる壁”. ハーバービジネスオンライン (2017年6月23日). 2022年3月6日閲覧。
  10. ^ “奨励会員はアルバイト禁止! 26歳まで無職ニートを覚悟しないとプロ棋士にはなれない”. ハーバービジネスオンライン (2017年6月26日). 2022年3月6日閲覧。
  11. ^ “(大志 藤井聡太のいる時代)激闘編:6 7七同飛成、歴史に残る「ホームラン」”. 朝日新聞デジタル (2019年8月4日). 2021年2月26日閲覧。
  12. ^ “石田直裕五段 新型コロナウイルス感染に関するご報告”. 日本将棋連盟 (2021年8月25日). 2021年11月21日閲覧。
  13. ^ “石田直裕五段復帰のご報告”. 日本将棋連盟 (2021年9月7日). 2021年11月21日閲覧。
  14. ^ 『石田直裕四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟』2017年8月16日。
  15. ^ 「石田直裕五段が六段に昇段|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2024年7月19日。
  16. ^ 「通算成績(2024年7月18日対局分まで)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』。2024年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  17. ^ “名人戦・順位戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  18. ^ “竜王戦”. 日本将棋連盟. 棋戦. 2023年12月2日閲覧。
  19. ^ [1][名無しリンク]
  20. ^ [2][名無しリンク]
  21. ^ [3][名無しリンク]
  22. ^ [4][名無しリンク]
  23. ^ [5][名無しリンク]
  24. ^ [6][名無しリンク]
  25. ^ [7][名無しリンク]
  26. ^ [8][名無しリンク]
  27. ^ [9][名無しリンク]
  28. ^ [10][名無しリンク]
  29. ^ [11][名無しリンク]
  30. ^ [12][名無しリンク]
  31. ^ [13][名無しリンク]
  32. ^ 石田直裕四段が名寄市長特別賞を受賞|将棋ニュース|日本将棋連盟
  33. ^ “AbemaTV 将棋講座”. AbemaTV. 2017年9月25日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 石田直裕|棋士データベース|日本将棋連盟
  • 石田直裕 (@naohiro1205) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
 
一般棋戦優勝 1回
加古川青流戦 優勝 1回
2010年代
2020年代
関連項目
四段の棋士・三段リーグ上位者・女流棋士・アマチュアが参加。
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全般
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国立図書館
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